オルタナティヴ・コンバット

俺自身、機体選びにかなり時間をかけている部類なのだが、雑誌攻略が出回るより早く機体の方向性が決まってしまったので、当時すでに「今更・・・」な心境だったわけだが、やはり紫電乗りは強く、基本の4コースもあっさり終了し、狼牙モードへと移行していたようだ。
俺が4コース全てを終える頃には、周囲のプレイヤーもことごとく脱落していたが、俺自身はある結論に到達していた。

俺の愛機・23式「隼鷹」の装備はGL+PB+2脚である。機動性の高い脚部に、圧倒的な攻撃力の武装を積んでおり、破壊力・突破力を突き詰められる機体だ。この機体で戦うと、その破壊力にモノを言わせた戦術が随所に発生する。
まず、中ボス「バーサーカー」を撃破するのに何度もその攻撃をかわして反撃しなければならないということがない。GLを当て、PBとショットを立てつづけに叩き込めば、またたく間に倒せるのだ。
次にボス戦闘でその真価を発揮することが明らかとなった。メインショットをグレネードガンやレーザーライフルに持ち換えて戦うのがボス戦のセオリーだが、それと合わせてGLの凄まじい威力にモノを言わせての速攻が可能になった。2ボス「モビィディック」に至っては瞬殺パターンまで存在するほどだ。
これらの過程で、GLの多彩な使い方を独自に習得した。もともと威力はかなり高く、着弾時の爆風にも攻撃力がある武器だ。これを自在に展開することで、雑魚敵や破壊可能なミサイル群などに対する近接防御が可能になる。しかも威力が高いから、防御のために投射しても多くの敵を一斉に破壊でき、その分受ける打撃も少なくなる場合が少なからず存在した。そうでなくても、他の装備より少ない手数で敵を倒せるのは魅力だった。
パイルバンカーにも同じ事が言える。動作こそ重いが、地上ではダッシュでそのモーションをキャンセルできる。しかも正面方向に伸びる長さが他の格闘兵装を上回り、敵に対し充分な間合いを取って戦うことが出来る。さらにはダッシュの攻撃力を利用しバンカーダッシュキャンセルで大きなダメージを与えることが出来ることも分かってきた。

そのレベルに到達したとき、もはや俺にはELも、BSやICも必要なかった。
いや、威力のない武器に物足りなさすら感じるようになっていたと思う。