デス種・「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」最終回

終わりました。とりあえず終わらせた感じだな。本当に「とりあえず」だ。
これからキラたちはどうするのか、どこへ向かおうとしているのか、ついに語られることなく。ただ無意味な直感のみを頼ってデュランダルを死に追いやっただけの終章。

シン、その戦い

プラモのCMでおなじみ「あんたって人はぁぁぁぁっ!」は、キラでなくアスランに向けて。ホント、あんたって人は・・・
最終的に、彼は敗北者として泣く羽目になったけれど、死なずにすんだのはよかったか。何より、最後まで自分を見失わずに戦えた、一本筋の通った奴だったとは思う。種シリーズでは最も主人公らしく、そして最も哀れな甘ちゃん、シン。
でも、俺は好きだったよ。必死でしがみつき、食らいついていく彼がね。バカだけど、それ故に愛すベき主人公。
「くそぉぉぉっ、なんであんたなんかにぃぃぃっ!」というあの台詞は強い。

レイ、変節。

あああ、最後の最後でキラに言い負かされた・・・哀れな奴。というより、アレに言い負かされるというのは脚本の都合か。いろいろな意味で、許し難し。ラスト、彼が撃ったのがキラだと一瞬でも喜んだ俺がバカだった。あのシーン、一瞬そう見えたのだ。
最後に自分の信念を貫いて死ぬのはコイツだと思っていたのだが、甘かったか。それもこれもあの洗脳電波がっ!
まぁ、何にせよ物語としては、死ぬベき人物だった。ただ、幸せな死ではなかったな。

アスラン

おまえは本当に何も分かっちゃいなかった!

キラという絶対

予想通り。ただ、一人の力としては問題なほどに強い存在だった。言葉に何の意味も説得力もないまま、ミーティアストライクフリーダムを操り、ほとんど単身でメサイア要塞を陥落させてしまった。はぁ・・・
デュランダルとの論戦でも、残念ながら彼は勝てていない。デュランダルの言うとおりだよ、本当にキラは傲慢だった。その傲慢さが繊細さの仮面をかぶり、圧倒的な暴力装置で世界を走り抜ける。
うーむ、わからん。だが、ついに最後まで己の手を汚さずに終わった「聖なる子供」として描かれていたな。果たしてそれは本当に正しい表現だったのか?

というわけで

タリアさんがデュランダルの一切を背負って心中となりましたとさ。

全話を観て思った事:前作同様未来へのヴィジョンを見せる事のない、意味不明の終焉になった。前作キャラ全員にとっては目的を果たしたエンドであり、新キャラにとっては前作キャラに力づくで思想を押しつけられ、無惨な敗北を味わう無力なオチだったと言う事になるか。
数人の天才が宇宙を征する物語、それが「ガンダムSEED」シリーズだったと。その未来はどんなものなのかを想像すると、ちょっとイヤだな。

数年後、シンには是非反撃の狼煙をあげてもらいたいものですな。彼はその資格を持っているのだし。

そういえば

最後の最後までバンクフィルムの再編集でまとめてあるシーンが多かったように思える。デスティニーがジャスティスに突っこんでいくシーンでは、何故かフリーダムに差し替わったカットまである始末。最後まで、本作に相応しいブザマなフィルムだった。

これでも種・デス種は、良作だと主張したいかい?主張できるかい?