「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」

デス種とは逆の意味で「なに、これ・・・」と思わされる内容。
合戦のディテールの細かさ、画に入ってないだけで実は容赦ない殺し合いがちゃんと入っている*1シーン、火縄銃の一連の操作をちゃんと見せるなどなど、実写のドラマや映画のやたら手間のかかった合戦シーンにも劣らない。
日本のドラマ、映画でもこれだけディテールがしっかりしたものは珍しいだろう。

お話はよーく観るとSF。又兵衛の死が必然であった=運命が帳尻を合わせて来たという点などはまさにそれ。

いや、又兵衛さんが本当にいい男に描かれてる。姫との関係なんかもすがすがしいな。青空侍、ナイス・ガイ!
そのおっさんが、ああも唐突に理不尽に見える死に方をし、しかもそれが必然ですらあったという無常感。戦争のある世界の現実とはどういうものか、戦士とは、男とは何か、それら一切をキャラ立てできっちり語る又兵衛が非常に良い。もちろん、その死すらも何かを(特に「戦争のある世界の現実」という奴を)語っているというのは見事。

クレしん映画は凄いという話は本当だ。カスカベボーイズの時もクリス・ヴィン・オライリーの3人*2とか、銃の描写*3とか「誰が分かるんだそんなネタ」ってな所にもちゃんと造りこみやこだわりが見られたし、本作も時代考証は丁寧になされているそうだ。そっち方面のマニアも納得する、という話だ。

これはアレだな、あの伝説の名編「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」も観た方がいいのかもな。

ちなみにテレビシリーズの方の「ぶりぶりざえもんのぼうけん」は全話観せられました。あのセンス、割とツボ。塩沢氏のネタキャラっぷりもたまりません。そういう方面で楽しめるお笑い時代モノ。

*1:観ると分かる。倒れた相手にとどめを刺しているシーンがちゃんとある!これは正直やられた。その辺ウソをつかない姿勢に惚れる。

*2:声はそれぞれ小林修内海賢二森山周一郎。これが何を意味するか分かる人は「荒野の7人」を知っている人のはず。見た目もユル・ブリナー@クリスらそのまんまで、俺は観て大笑いした。

*3:コルトのシングルアクション・アーミー・リボルバーの射撃の実際をちゃんと見せているのは上手かった!いちいちハンマーをおこすんだコレが。