ところで。

実は、この曲に関してはさらなるこだわりがある。まだ俺の家にCDを再生する環境がなかったころ、この曲をLPレコードで持っていたのだが、この演奏がかなりいい味を出しているのだ。指揮はロストロポーヴィッチ、演奏は確かロンドンかチェコフィルだったかと思う。で、20年くらい前に東芝EMIから出ていたこのLPは、その後どうやらCDになったらしいのだ。それも「ロストロポーヴィッチ指揮によるチャイコフスキー交響曲全集」という形で。昔はそのCDボックスを買えなかったのだが、どうにかして手に入れたいと思っている。
本来の演奏速度の指示よりもさらにテンポを落とし、本作の持つ「重さ」を強調した演奏に当初は違和感を覚えたが、聴くうちにその重量感が耳に染みついて離れなくなってしまった。最盛期のカラヤンの指揮をも上回る(かな?)その重みが俺にとってはたまらない魅力になっているのだ。
第1楽章冒頭の重苦しい空気もさらに強調されているし、終楽章の堂々たる雰囲気も緩急つけた演奏で表現され、最後の一音まで確かな手応えを感じさせる。

やはり、ロシアの曲には昔で言う「東側」の人間でなければ表現できない何かがあったりするのだろうか。そういうわけでもないか。ただ、やはりこの曲に関しては、東欧系の人間が指揮・演奏した方がサマにはなると思うのは気のせい?
やはりゲルマン人じゃダメ・・・かも。