チャイコフスキー 交響曲第5番 作品64

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーといえば、ロシアが生んだ名作曲家の代表的存在として誰もが知っている(はずの)存在である。数々のバレエ音楽や世界3大ヴァイオリン協奏曲の一つに数えられるヴァイオリン協奏曲作品35、そして彼の最後の作品となった交響曲第6番「悲愴」作品74(完成後まもなくコレラに倒れた)を含む6つの交響曲などが知られている。
今回は、俺の乏しい楽典知識で無謀にもクラシックの話をしようという特攻コラムである。怖じ気づくんじゃないぞ、どうせいつかは死ぬんだ!(違うよ兄さんbyアルフォンス)

この曲は、チャイコフスキーが自らの作風を転換させ、マンネリから脱出させるべく書かれた曲であると言われている。作曲者自身はわざわざその為に作曲したことについてどこか後悔しているフシがあったらしく、本作を「不誠実なこしらえ物」と呼び、あまり気に入ってはいなかったようだ。が、駄作かと言えばそんなこたぁ全然ない。彼独特の流麗なメロディや劇的な展開があちこちに存在しており、また曲全体もある種のドラマティックな物語性を帯びた名曲だと言える。チャイコフスキーの6つの交響曲の中では、個人的には一番好きだ。俺にとってはヴァイオリン協奏曲とともに初めて聴いたチャイコフスキー作品であり、「悲愴」よりも好きな曲なのである。(多分一番多く聴いているもののひとつでもある)