隠しダイアリー・6「14年後」


あれから14年になる。舞ももう中2か。早いものだ。

俺にはかつて「舞」という娘がいた。いや、正確には違うのだが、当初は俺の娘だという話になっていた。14年前の明日までは、そういう話だった。実際には、俺は妊娠させるようなヘマはしていないはずで、なんで子供が産まれたのか怪しんではいたのだが。まぁ詳細は伏せる。

あの日、あっさり裏切られて以来、俺は誰かの2番目の男である事をずっと続けて来た。本命不在の時の代用品として、あるいは元々さほど情が移らないうちに別の男を用意し俺を2番手に転落させるなどはザラ、人によっては単なるストレスの解消用や新しい彼氏が出来るまでの代用とはじめから決められている事すらあったように思う。

毎年この時節になると思い出すのだが、俺をそのようにしなかった女は今まで一人もいなかった。少なくとも前の彼女まではずっとその調子。そして、顔もパッとしない、まともな趣味もないヲタにはそのくらいがちょうど良かったと言われている。たまたまエロい人だったから相手して欲しいとか、そんなのもいたように思う。下半身だけがお目当てというわけだ。普通逆じゃない?

俺にはそれ以上の何も求められてはいない。愛情など論外だ。そも、俺の愛情など鬱陶しく気持ち悪いだけで、もらっても何の得にもならないんだろう。
今回も似たようなオチになりそうだ。違うのは「彼女にとっての俺の立ち位置」くらいか。実際、今の彼女はスンホン(熱心なファンは「スンホニ」というそうな)への情熱的な恋慕のあまり、俺の言葉が耳に入らない状態になってしまっている様だ。

またも俺は他人に負けたのだ。ちなみに俳優に負けたのは2度目になる。

無様ついでに前の事を書くと、「星獣戦隊ギンガマン」放送時(98年)まで遡る。ギンガイエロー/ヒカル役の彼(名前失念)を筆頭にギンガブルー/ゴウキ役の照英、リョウマの兄ヒュウガ役の小川輝晃といったあたりにハマり、顔が好みに合わないから俺は無用だと言い放つ当時の彼女に背筋が凍った。
そりゃあんた、「ギンガマン」はスーパー戦隊シリーズの中では名作の一つだけどさ。そりゃ俺だってブルブラック好きだけどさ。
なお、彼女はその後2ちゃんアケ板に名前を伏せて俺を晒したりしましたとさ。どっとはらい

テレビに映るタレントは人付きあいを考えずにハマっていられるので、リアルの恋愛より楽なのだそうな。俺がフラれたのは、そういう面倒をしてまで付きあう値打ちがないという理由によるものらしい。もちろん事情は多々あるが、決め手はそれだったそうな。そういうものに勝てるほど、俺に値打ちがあると判定しなかったという事。まぁ、あいつの判断は正しい。

さて、今もここを見ているという彼女は、そのへんどうなのかね・・・
(2005・12・14執筆)