隠しダイアリー・5「帰らず」


冬になった。



思えばこれは対よしお戦が始まりだったと思う。

まぁともかく、今回は俺もさすがに言いすぎたかもしれない。ただ、あの人の立場を思うとやはり知っていて欲しいとも思う。そのジレンマで心中穏やかじゃないというのは事実。
あの人にしてみれば、目に見える戦争もない国に何故そうまで言うのか、ピンとこないんだろうと思う。じゃあ実際はどうかというと「獨島」という名前の揚陸艦が今年進水したという情報がある。ギョッとした。揚陸艦!敵地に陸上戦力を上陸させる軍用舟艇である。戦艦とか空母ならまだ何とでも言えるが、今時こんなものを用意するという事は「他国へ武力侵攻したい」という事の表れじゃないのか?国を守る為だけなら、攻める為の舟艇は要らないのだし。しかも名前が・・・

本当は彼女に押しつけるのはどうかと思っているので、あまりうるさい事は言わずに淡々と特亜関係の話を書き続けていくつもりではあった。スンホンへの熱もいつか冷めると思うし、いつかより多くの人が特亜の真実を見る事もあろうから。その日まで待とうと思っていた。それまでは俺のような人間が「牙なき人の牙」となればいいと。俺は、戦えないあの人のために戦えるようになっていたいと思っていた。銃を取る戦いではなく、言論の戦いだ。

先日の日記では韓国に関係して俺の心情を書いて、通常日記においた。だが、裏の心情もある。あの人にとって俺は何なんだろうかという事だ。俺はあの人にとって絶対的に好きになれる相手ではないという事か。俺とは違うのか。そういう事を考える。考えすぎなんだろうが、それにしたってあの人は周囲に対するガードが甘いのが心配だ。
それとも、たまぁに聞く「誰にでも甘いが実際には誰とも関係は持たない」という種類の人なのか。あの人の話を聞くと、これが最も当たってる。

だが、材料が一斉に揃ってしまった。以前親しかったという男が彼女を誘っている事、その男に似た韓国人とあの人の熱狂、俺とのコミュニケーション断絶、周囲に次々に現れる男たち、韓国批判の果てに自らのブログを閉鎖して姿を消したある有名ブロガーの存在、朝鮮総連の挑戦、そして冷めぬ韓流と韓国政府の狂的な反日法案。

俺は焦っていた。彼女が俺の敵になってしまう事を恐れ、俺の予想するようなトラブルに遭う事を恐れ、ようやく俺の方を向いてくれた心が他の誰かのものになるのを恐れた。それがこのザマ。
今日はシンフォニー・エックスの曲を引用しているが、「マスカレード」のあの引用の前にはこんな節がある。

激しい妄想に取り憑かれ、圧制という名の仮面でお前の攻撃を覆い隠す
じりじりと疼く傷口が、かつての愛すら拒ませてしまう

洒落にならなすぎる。そして英雄は怪しまれ追放されてしまうのか。

あの人は「韓国人の犬になってしまった私に未練はないでしょう?」と俺に言う。だが、本当にあの人は、たとえばよしおやその他のサヨク野郎同様に「特亜の犬」になってしまったのか。あるいは、俺を愛してくれたあの言葉そのものがもうないのか。日記が本音だというのなら、じゃあ本物はどっちを向いているのか。スンホン、そして例の男への想いと俺への愛、本当はどちらが重いのか。
彼女のスンホンへの熱狂を目の当たりにした今の俺にはそれすら見えない。

俺へのメールにしばしばあった「私はあなただけのものよ」という言葉の重さを知りたい。俺の手に余るほどの超重量だと思っていたそれが、スンホンや他の男の話によって綿毛のように飛んでいくのが見える。

だが、あの人が俺に同じ感情を持っていないとは言えない。あの人はあの人で「俺に本気になると遊ばれて捨てられそう」と思っていたそうだし、俺の周囲に女性が一斉に現れた事もあった。それの逆だろうか。

思うに、俺とあの人の間には様々な試練が立ちはだかって来た。それを乗りこえた俺とあの人の間にあるものが、これしきで終わる脆い物だとは思えない。あの人は今もこのブログを見ているというが、それならあの人にはもうちょっと事実を整理して考えて欲しいと思う。もちろん、俺もだが。それでダメなら、あの人には是非例のアレを読み返して欲しい。俺がしばらく書いていたアレ。

後は、ここにも書けない。あの人に直接会って話さなければならない「事実についての考え」がある。あの人の目に映る事実のみで、俺の目線すら抜きでの考察。それは、ここに書いてしまう事ですら意味喪失のピンチになる話だ。

こないだの電話があんな流れになった事を思えば、あの人が特亜の犬に成り下がったという事は多分ないはずなのだ。今も俺の愛があの人のためだけのものであるように、あの人の本心も俺のほうを向いていてくれれば良いのだが。他の人はともかく、あの人は特別なのだ。今も部屋においてある写真立てを見るたびに、いろいろな想いが沸いて来る。あの人が他の一切を忘れるほど抱き締められたらどうだろうかと夢に見た事もある。

それにしても、俺の愛する人を盗んだ韓流が憎い。

(2005・12・11執筆)