ロビー・ヴァレンタイン、新譜来る。
8thアルバム「フォーリング・ダウン・イン・ミスアンスロポリス」発売。買いました。しかもフラゲ(笑
前作も買ったんだが、今回は前作をさらに一歩前進させた印象。個人的には5th以降の彼は様々な実験を試みてその成果を発表してきたんじゃないかと漠然と思う。今回も同じ。キーボード使いの技術やコーラスワークは健在だが、昔のようなシアトリカルなオペラテイストはなりを潜め、比較的今風のギターサウンドを前面に押し出したり、今までやらなかった種類のアレンジ(エレクトリカルポップ風とか)を用いてみたりというスタイルを打ち出している。
相変わらずのピアノバラードもあるが、何より前作の制作時期の精神的トラブルを未だに引きずっている重々しい空気がどうにも気になる。
アルバムを支配する苛立ちと絶望、嘆きとそして・・・激しい怒り!正直驚いた。彼があからさまに名指しで人を批判するような歌を歌っているのを聴いてしまったら、驚くしかない。
今回俺的にヒットしたのはクィーンのカバー「フリック・オブ・ザ・リスト」から「オウガ・バトル」のイントロを経て現れる「ショウ・ユア・フェイス」だ。
俺のネタをパクりやがったなこの野郎!という怒りを題材に、自分が何と戦って生きていかなくてはならないのかを歌い上げる凄まじい怒りの楽曲。
そもそも「フリック・オブ・ザ・リスト」からしてクィーンが当時マネージメントを行っていたプロダクションやマネージャーを指して「奴らのやっていることは要するに搾取だろ」とぶちまけた曲。ロビーはこれをカバーした後、自分の怒りもぶちまけてしまったのだろうか。
クライマックスのコーラスで怒りは頂点に達する。「人の形をしたあいつら(ヒューマノイド)には屈しない」と始まり、「Dead!Dead!」の連呼*1、そして「Show Your Face!(お前のツラを見せやがれ!)」と叫ぶ。
・・・曲調だけ見ると、彼の作品の中でも有数の「ライヴ向き」ナンバー。でもここで振り上げられるのは怒りの拳ではないかと思うのだ。手前のツラもろくにさらさず人様をナメてかかるクソ野郎*2に対して「ツラを見せろこのクソったれ!」と怒鳴り散らす、そんなイメージなのだ。
しかし、例の失恋、よほど効いたらしいな、ロビー。まだ引きずってやがる。
- アーティスト: ヴァレンタイン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: CD
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次はヴァレンシアとの合作第3弾が来るのか、それとも違う何かなのか。とにかく、彼は変わって来ているらしい。