カボシャールは帰らない

まさか、毎晩泣き喚いて暮らす羽目になるとは。
それが未練とわかっていても、もはやどうにもならない。

そんなに好きだったかと何度も問い、そのたびに同じ答えを自分に返す。そんな毎日。
肉欲だけの関係だったのか?安易な依存だったのか?そのすべての疑問を否定して、ただこの胸に秘めた禁断の想いに永久凍結を施す。
間違いなく言える。33年生きてきて、あれは俺にとってこれまでで最大最高の幸せだった。

最後に強く抱き合った感触・・・それだけを安らぎに、俺は生きていく。


本当は、残りの人生全部くれてやるつもりだったんだけどね。死が二人を分かつまで。いや、死が二人を引き離しても。