「蒼穹のファフナー Right of Left」(スペシャル放送版)

実は何度も「蒼穹のファフナー Right of Left」を見直している。実際これ、相当面白い。前半で日常を描いておいて、日常から離れて特攻作戦に投入される少年少女の壮絶な毎日を、短い時間で上手く見せている。
登場人物は「ファフナー」本編の人物のために離れて戦ったメンバーで、このスペシャルのみの登場。でも、中心となる二人の少年少女に焦点を当てているせいかキャラもちゃんと立ててある。
ポイントとしてはまず主人公の愛犬のストーリー上の使い方の上手さ、本編1話で唐突に死ぬ羽目となった果林についてのエピソードの存在、そして何よりメイン二人の魅力。
マリンスノーの下で散って行くラストは涙モノ。

あと、俺的にいいと思ったのが、初陣で使用されている曲があの曲だという事、それと「二日に一度、敵が来た・・・そして、誰かがいなくなった」のくだり、ファフナー搭乗者の一人が「どうせみんないなくなる」となぐり書いた事について責めるシーンなど。元々悲愴な話なのもあり、戦場っぽさの演出*1や絶望を人物に語らせる描写を入れられると彼らの毎日の凄惨さが実感出来る。どれほど壮絶な戦闘をしているかをキッチリと語ってくれやがる。挿入歌「果て無きモノローグ」もその悲惨さをさらに強調する。
この特攻作戦の司令・早乙女の声が大川透なのがいいね(笑)見た目と言い声といい無能大佐みたいだが。

もうちょっと見直そうと思う。これはかなりいいスペシャル版だ。当初は眠い為ビデオの用意だけして寝るつもりだったのが、「一応さわりだけ観て寝よう」と思ってたら数分で目が覚め、そのまま観ているうちにラストまで観ちゃったさ。特にヒロイン・祐未が父の死を看取った後、作戦開始あたりからは目が離せなかった。あとはもう一気にラストシーンまで味わった。

それにしてもヒロイン・祐未がやけに艶っぽい。味あるなぁ。声は甲斐田裕子。ラストで主人公・僚の「なぁ、祐未・・・」に答える「なに・・・?」の声色とか、割とツボ。
悲恋のロマンス物としても面白いですぜ、これ。

「あなたがそばにいてくれたから、私、」で止まる台詞もいいし、それを受けて「いなくなったのか、祐未・・・」の後大泣きする画に声がないなど、いい演出も見られた。いやいや、いいもの魅せてもらった。みんなも観るベし。

*1:2体のティターンモデルが戦闘中なのを遠くに見つつ走るシーンなんかは良かった。戦場っぽい。