Rootkit

http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/insiderseye/20051109rootkit/rootkit_01.html
俺にはあまり関係ないな、と思って放置していたが、俺以外に関係あるかもしれないのでちょっと。ちなみに今回も王羅さん経由。
さて、要するにこれはどういう事かというと、ソニーBMGによってコピーガードのために用意されたプログラム/アプリケーションの類が、ユーザーの目に見えない所でこっそり潜りこんでいるという事。
自分のマシンにこっそり入っているそれが実際に何をしているかが見えないとなると、何されてるか不安になる人も少なからずいるのではないかと思う・・・いや、不安にならん方がマズイな。
問題点については俺もちょくちょく覗いている*1「謝る前にケツを出せ」さんにリストアップされている(http://wsn.31rsm.ne.jp/~chapel/mt/archives/200511/17-183758.php)ので、そちらを参照しつついくつか思った事を書き連ねてみる。

1. ソニーBMGが、問題のCDタイトルを一切明らかにしていない事
2. 第三者によってRootkit問題の確認されたCDが日本で流通している事
3. 日本国内盤が安全かどうかもわからない事

3つ合わせて「市場に地雷を大量敷設」状態になっている。

4. 完全に駆除するツールやアップデータが配布されていない事
5. 手動で削除しようとすると、コンピュータに深刻な被害が発生し得る事

汎用的な対処法がない=普通の人には手の打ちようがない。

6. 内容が明らかでない何らかの情報をソニーBMGに送信している事
7. 無断で無関係な一般CDのリッピングまでをもノイズ挿入により妨害する事
8. 当該ソフトを利用するトロイの木馬がすでに複数種確認されている事
18. 使用許諾に同意しなくとも一部の問題機能が動作している疑いのある事

内容が明らかでないというのが不安要素。どこのスパイウェアですか?
さらに無関係な所に影響をおよぼすというのがマズイ。ソニーの都合で人のマシンに邪魔が入っている状態だ。あまつさえウィルスの侵入手引きまでする結果になってしまうのだから問題。

9. コンピュータのメモリなどのリソースを常に数%使用し続ける事
11. 当該ソフトが自プロセスを隠蔽しつつ動作する事

それは常にアクティヴな状態にあるという事か?常時動作している=常時何か送信しているって事だとしたら、何を送信しているのかと。しかもユーザーの知らない所で。

10. 使用許諾に同意すると、その記述を逸脱したソフトが導入される事

それはどうかと思う。嘘はマズイです嘘は。

12.「$sys$」で始まるファイル、フォルダ、レジストリ、プロセス等を見えなくする事
13. 12.を利用してウィルスが隠れた場合、発見がきわめて困難となる事

潜伏されると、ちょっとね、というお話。

14. 米Microsoftを含む複数のベンダからウィルスと認定されている事
15. 米国国土安全保障省が社会インフラにおけるセキュリティ上の懸念を表明している事

はい、ウィルス認定。すなわち、ソニーさん自らウィルスメーカーになっちゃったわけで。

16. 日米を含む複数の国家において刑法に抵触するおそれがある事
17. 問題のプロテクトを回避する行為を行うと罪に問われかねない事

つまり、ソニーかユーザー、死ぬ(笑)のはどっちだ?って話か?製品に意図的に異物を入れているソニーも問題だが、プロテクト回避はすなわちコピー出来る状態にするという事で著作権法違反になると。参りましたねぇ。

19. 当該ソフトが他者のライセンス(LGPL)に違反している疑いのある事

コピーガードのために違反行為。なにその矛盾。

20. 2005年3月の初出以来8ヶ月以上、問題盤が事実上放置され続けている事
21. 事実を知らされていない消費者の間で感染が拡がり続けていると推定される事
22. ITmediaによれば、日本が米国に対しダブルスコアに近いトップ被害国である事
23. 最大の問題ソフトとは開発元が異なるが、Mac OS Xにも影響がある事
24. 22.が事実であれば、ソニーBMGの米国盤とは別の感染経路の存在が推定される事

みんな知らないうちにやられている事。そしてみんな知らないうちにソニーに自分のマシンの情報を送信している事。怖いね。マカーさんも注意してね。

25については俺には何とも言えないんだがね。

まとめてみると

つまりソニーBMGは非合法な方法を用いて、人に知られる事なく多数のユーザーの情報を収集している疑いがあるという事。何のためかは知らないが、送信されている内容も不明ではそういう言われ方になっても仕方あるまい。
確かにコピープロテクトは必要なのかもしれないが、コピーがはびこる理由は他にあると俺は思う。
この事象には音楽そのもの価値がなくなったという意味があるように思えるのだ。金を払ってまで聴くほどの値打ちのない音楽が溢れていて、あるいは人がそれほど音楽に愛着を持たなくなって、それゆえに「コピーで済ませちゃおう」と思う人が大勢いると。

音楽そのものが緩やかな死へと進みつつあるという、これは一つの証明なのではないかと感じる。考えすぎかも知れないが。

*1:面白くてね。