静留祭りを傍観しつつ雑感（暴言や脳内補完を多量に含有しております）
うちのプロバイダは２ちゃんでは規制されているのでスレに参加できないのがちょっとばかりつまらんのだが、あの「藤乃静留総合スレ」の静かな熱気には*1感心させられるし、俺自身も近年希にみるほどに面白いキャラクターだと感じてもいる。どのくらいかというと難しいが、俺内部では「玖我なつきとセットでなら」という条件付きで高原万葉に迫る・・・か？
そもそも、なつき自体見逃せないキャラだ。ああいう風にしか生きられない不器用さ、クールでニヒルと見せかけて案外繊細な面など、見方によってはサンライズ作品つながりでキリコばりのハードさを持ったキャラ。マイルドにデチューンされた女版キリコ・キュービィといったところであろうか。
（以下は強引なこじつけになっているので注意）
実際、自分の暗い過去と対面して無力化する、というくだりもあるし、なんだかんだで女性の優しさ、一途さに救われているというのもどことなく似ている気がする。そういえば、キリコは時折フィアナにつらく当たってなかったか。特に終盤などはそうだよな。ベルゼルガＱ５８型で追ってきたフィアナを足止めすらしているし、それはなつきが静留に対して「あまりわたしの中に入ってこないでくれ」と言い切っている部分（＃１９）とどことなく似ている。「戦わなければならない俺の心に入って来られると、巻き添えになってしまうぞ」という意味の、素直じゃない表現。同時に「俺の手で決着をつけなければならないから巻き込めない」という意味をも含んでいる。本当に好きだから、愛しているからこそ逆に突っぱねてしまう不器用さ。
サンライズには典型的ハードボイルド主人公の系譜が脈々と語り継がれている気がする。それは形を変えて表現されているわけだな。
「♪盗まれた過去を探し続けて おれはさまよう見知らぬ街を♪」でおなじみ「炎のさだめ」*2がやたら似合う気がするのだがどうか？実際「過去を盗まれ」ているわけだし。千葉紗子の声＋あの口調で「そっとしておいてくれ、明日につながる今日ぐらい・・・」とか言われても違和感がなさそう。
で、それを暖かく見守る静留。クールで冷徹ななつきも、彼女にとっては繊細で可愛らしい人と見えるのだろう。実際なつきは上述のようなキャラだし、この二人はきちんと通じ合っている。奈緒のように素行不良生徒になってしまわなかったのも静留を筆頭に多くの仲間たちがいたからこそ、と言うなつきだが、ここで静留が筆頭に挙がることからも、二人には確かな絆があったと見て間違いないだろう。
静留はなつきをしてそう言わしめたほどの懐を持っていて、さらに情が深い。なつきに惚れ、深く理解し、愛してきた過去が、おそらくはあったのだろう。そして、本当は文字通り結ばれたいという欲求があっても、それが同性相手であるということもあって自身を制御し続けてきたという経緯も。*3
なつきは友愛、静留は情愛でこの関係を維持し、その絶妙なバランスの前には二人の愛の種類が違うことなど関係なかったかに見えた。*4
関係崩壊から対決直前まで・・・
そんな関係を続けて来た二人だが、「戦媛の神事（いくさひめのしんじ、だからこれで合ってる？）」がその微妙なバランスを破壊した。
暴走した奈緒がたびたびなつきに襲いかかり、それを救うべく静留が表舞台に立つことになるのだが、そのころには、静留の理性は本心を制御できなくなっている。理性のブレーキが壊れ、なつきに手を出してしまい、さらにそれを執行部コンビに目撃される静留。とうとうなつきにも自分の性癖〜真性のレズビアンであること〜を知られ拒絶されてしまう。静留はついに狂った。もう隠すこともないと言い切った顔はすでに正気を失っていた。
以降は視聴者の方々もご存じの通り。人の恋路を邪魔するものに容赦なく襲いかかり、雪之や奈緒の「チャイルド」を秒殺、秘密結社「一番地」をも壊滅する静留。彼女と対峙したなつきは、奈緒の言葉で思い出した自分の気持ちを静留に告白する、というのがこれまでのお話。
静留の想いは一種ストーカー的だという意見もあるだろうが、厳密には少々違うのではないかと思う。*5
この二人は決して悪い関係にあったわけではない。絶妙なバランス感覚の上で、むしろ非常に良好な関係を築いていたとすら言える。お互いの気持ちを口にすることはなかったが、この場合はそれが関係の維持にプラスに作用していたようだ。
だが、なつきにとって「静留がレズビアンであり、自分に欲情している」という事実は衝撃的すぎた。結果二人の間に大きな隔たりが出来てしまい、それが静留を暴走させてしまった、というわけ。
では行ってみましょうか。
