隠しダイアリー・18「振り子」

今の俺の心は振り子のようなものだ。一方の端では「いつか戻るとかそれキープ君かよ」と思いつつ、一方で「一日も早く戻ってこないだろうか」などと思っている。
でも、一人になるたびに振り子の両端を意識してしまい考え込むその理由はわかる。
あの恋、愛に満ちた日々は、俺自身にすら消せない。だから、彼女が戻らないのならずっとこの振り子と付き合い続けることになるだろう。

彼女は、俺の心が荒れ果てようとも再生してみせるつもりだという。
俺は心のどこかでそれを期待している。この振り子がその証明だ。
なるべく考えないようにと思ったが、無理らしい。ならばこの苦悩を抱えて生きるまで。
一度話し合ってみた方がいいんだろうか。


(2006・04・06執筆)