隠しダイアリー・12「夢の茶」

俺は、何故か彼女の家の人間の前にいた。その男性に俺の身元についての説明を求められそうになったが、そこに現れた彼女が咄嗟に俺を制し「この人は私のお茶の友人です。これからお茶を振る舞うことになっているんで、お気になさらずに」と家の人間に説明した。
家の人間はその話に納得して下がり、俺と彼女が二人きりになった。そういえばいつか彼女に茶を煎れてもらいたいなどと話した覚えがあった。
彼女は何も言わずに茶をたてて俺に差し出し、それから優しく笑って俺が茶をたいらげるのを見つめた後、そばに寄り添って来る。

そういう夢を見た。

(2005・12・28執筆)