「ウルトラマンメビウス」#34「故郷のない男」

いい加減ちゃんと観ようと思ってたんだが、今回は内容が内容なので俄然視聴意欲が沸いてたというわけなのさ。

オープニング最後の登場怪獣紹介のシルエット、なんだかジオン公国の水陸両用モビルスーツみたいだった。
そのリフレクト星人、光線技がまったく通じないという性質を持っており、メビウスはこれに敗れ去る。
そんなメビウス=ミライに試練を与える僧服姿の男こそ、かつて凶悪無比の「円盤生物」を相手に孤独な戦いを繰り広げたウルトラマンレオ=おヽとりゲン*1だった・・・

ということで、今回は視聴者待望と言われていたウルトラマンレオがゲスト出演する回だったわけさ。

確かに以前の回でタロウはメビウスを認め、地球で引き続き戦うことを承認したが、ゲンは違った。リフレクト星人に敗れ、レオとの対決でも力量で劣ることを露呈してしまったメビウスに対し、
「俺は許さんっっ!!」
モロボシ・ダンの過酷な特訓と壮絶な試練の数々を乗り越えた歴戦の猛者が、ミライに容赦なき一喝を浴びせるあたりでもう「うぉっ!」となってましたね。

ゲンの口から語られる苦い敗北の苦しみと克己の意志、GUYSメンバーたちが口にする当時の防衛チーム「MAC」壊滅とレオの戦い。
焚き火のために錐揉みで火をおこすリュウから新必殺技のヒントを見出すあたりはこの手の話の古典的手法であり、王道。
単純に特訓だけでなく、リュウたち仲間とのやり取りの中から技が生まれてくるあたりがメビウスらしさなんだろうな。

そして編み出した必殺技は燃える炎のきりもみキック!リフレクト星人の鉄壁の防御を破るが、今度はガンフェニックスに乗ったGUYSの仲間たちを人質に取る、という非常に悪役らしい姑息な手段に訴えてきましたよこの方(笑
一人で戦う決意をしたはいいが、こんな手段に訴えられちゃ手も足も出ない困ったミライ君。
それを見かねて、ゲンが立つ!裂帛の気合と共に「獅子の瞳が輝いて
レオォォォォォォォォ!!!!」
視聴者(俺)も「来た来た来たー!」と(笑
メビウス一人で戦うと思ったら、ここでレオ乱入!
ゲンはかつて、自分が所属していた防衛チームMACの仲間を失っている。後期シリーズで円盤生物が現れたとき、MACはその襲撃であっけなく壊滅してるからね。そんな彼だからこそ、あの状況では戦いに加わらずにいられない。レオのストーリーや設定との整合性から考えても問題ないと思う。
まぁ、俺としては最後までメビウス自身の力だけで勝ったほうが筋は通ると思うんだが、反面レオがここで変身しメビウスを助ける理由もよくわかるので、話の流れ的にも問題ではないだろう。
逆に、ここでレオが出てこなかったらそれはそれで「MAC壊滅の過去がありながらなんで黙ってたんだろう?」という疑問が出てくるかもしれなかったし。
最後はきりもみキックとレオ必殺の「レオキック」でリフレクト星人をぶち抜いて勝利。爆発を背に着地した様子を逆光気味に見せるカットなど、面白い画が多かった。
レオ変身のシーンはどうやら当時の変身バンクの再利用の模様。これは嬉しいバンクの使い方だ。音楽も当時の前期オープニングのイントロをアレンジしたものを用意しているなど凝っている。これはタロウ登場時にも同じことをやっているが、レオの場合OP曲が2曲あって、前期はシリアス、後期は明るい曲調。今回のベースになっているのはシリアスな前期OPのアレンジなので、前期OPが好きな*2俺は個人的に嬉しい。

まぁその、テッペイが非常にいい味を出してるんですけどね。レオ登場に「ウルトラマンレオだ!」メビウスにキックを放つときには「レオキックだ!」と驚いてみせる彼の様子は、完全にいいトシの視聴者とシンクロしてたような気がする(笑
テッペイ君いいキャラだわー。

というわけで、まぁいろいろツッコみたくなる部分もなくはないんですが、総じて燃えるお話でした。
ゲンを演じる真夏竜氏も普通の台詞は重厚な語り口だったが、レオに変身する掛け声などは完全に若返ってますね。なんだかんだいって、おヽとりゲンは復活したということを証明してくれました。
32年の時を超え炸裂するレオキックに列島が燃えた、そんな一日。

*1:今回のOPクレジットでは「おおとりゲン」になっていたが、あえて74年当時のクレジットと同じ表記にしてみた。

*2:そして後期OPがあまり好きではない・・・