作戦名「HAPPY READY GO!」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/31/news023.html
http://happymaterial.com/
魔法先生ネギま!」主題歌「ハッピー☆マテリアル」をオリコンなどのチャートのトップに持ち上げ、国内のミュージックシーンに一撃を与えようという運動が展開されている。企画趣旨は以下のとおりなのだが・・・

このプロジェクトの目的は、アニソンで日本の音楽アーティスト達を圧倒し、オリコン一位を取って歴史に名を残す事、及び、荒廃した邦楽業界に革命を起こす事を主な目的としています。
また、今TVで放送されているランキングはその局ごとによってかなり操作されている様です。(アニソン等が上位に入ると、紹介が極端に短かったり、最悪の場合は存在自体無かった事にされる)

しかし、一位になった曲を差し替える様な暴挙までは出来ないはずです。そこで、マスコミに一泡吹かせてやろうと計画され、三つ目の目的となっています。

その標的が、「CDTV」などの"チャート番組"。
番組で一位をとり、コメント回避不可能にしてやりましょう。
理由は様々ですが、ともかく目的は一つ。

ハッピー☆マテリアル』をトップに!

(上記サイトより抜粋)

邦楽の荒廃と彼らの目的

確かに、宣伝に金をかけてもっともらしく売り出せば、人々はそれに釣られてCDを買うという現状はある。それが良い曲、良い音楽でなくてもだ。それを「荒廃している」と言い切る気持ちは理解できる。
だが、この運動の発端は私怨ではなかったか。
森山直太朗がラジオで叩き発言*1をしたというのが、そもそもの発端だったんじゃないかと。*2
まぁ、私怨でなく上記のような大義に則るというのであればそう主張していてもかまわないだろうが。

革命

仮に実際の売上でトップを取ったとして、世間はそう公表するだろうか。もし、その事実をも揉み消してしまえるだけの何かがあったとしたらどうだろう。過去、チャート上位に食い込んだ経緯があったが、あれも本当の売上データは1位だったものを修正して発表されていたとしたら?

革命は成功しないと思う。いや、成功すべきではない。それを行うのが企業だろうがメディアだろうが非営利の活動家だろうが関係なく、これは恣意的なチャート操作である。だから、これが成功すると、企画発足の理念に反してしまう。自己矛盾だ。

化けの皮を剥がす

オレンジレンジあたりを仮想敵に設定し、これを追い落とすように活動を展開する彼らの言い分を俯瞰しながら考える。
「実際のところ、『ネギま!』の売り方・売れ方って、今の邦楽とどう違うんだか・・・」
わざわざ邦楽革命とかそんな大義名分を掲げて盛り上がっている割には、最近のヲタク業界だって似たようなもんだと思うぞ。もっともらしいディテールだけで客の購買意欲を煽り立てる商業展開、それに乗せられて財布を緩める客層の存在。これでは家畜同然だと思う。
赤松健の漫画なんかその代表格ではないかとさえ思える。賢い人間であるならばそんなものにわざわざ乗る理由はないはずだ。ヲタクはもともと賢い生き物だったはずだし、この企画自体が無軌道で愚かだということに気付いてもいいはずなのだけれど・・・。

彼らは本当に邦楽業界の革命を望んでいるわけでもないだろう。もちろんミュージックシーンに真にすばらしい音楽を広めたいと本気で思っているわけでもないように見える。ただ、マイノリティが分不相応の主張をしているだけの幼稚な話の域を出ない。
そも、世の中には素晴らしい音楽がたくさんある。この日記でしばしば触れるクィーンやヴァレンシア*3、ロビー・ヴァレンタインやキャメロットなども、そういうものの一部。
本当にいい音楽に生き残ってほしいのであれば、それこそジャンルや世界の壁を超えて、そういう良質のサウンドをガンガン支えてくれると、俺もありがたいのだが。*4

なら・・・

どうせやるなら、Gacktを盛り上げてやってほしい気がする。
http://www.oricon.co.jp/music/special/050525_01_300k.html#movie
映画「逆襲のシャア」風のノーマルスーツ*5を着込み、劇場版「機動戦士Zガンダム」主題歌をモビルスーツコクピットで熱唱する彼の姿のほうが、こういう企画の旗印には相応しいのではないだろうか。*6
バンダイチャンネルの劇場版関連サイトでも彼のインタビュー映像を公開してます。言ってることは今更感ありまくりだが、なんとなく心強い。がんばって欲しい。俺も密かにエールを送ろう。曲もシブ目でいい感じだしね。

というわけで

俺はこの運動に反対する。俺に言わせれば「ハッピー☆マテリアル」を買う連中もオレンジレンジのファンも本質的にはなんら変わりない存在でしかないと思う。それに、ヲタク世界はまだまだ世間に認知されていないという現実や、ヲタクのマイナスイメージの払拭を怠っている状況を見ていると、同じヲタクとして恥ずかしくすらある。
俺にはここでこういうことを書き置くことしかできないが、これを読むあなたが考え直してくれるとありがたい。

しかし、知人にいないだろうな、これ買う奴・・・面識ある方でこの企画に乗った人、今度会ったら一発殴らせてもらうんで、よろしく。

*1:大雑把に言うと「アキバ系・ヲタっぽいのがチャート上位に来ているのが気持ち悪い。消えてほしい」という趣旨の発言であったそうだ。

*2:それでなくてもこの企画が発足したというのであればまた違ってくるのだが。

*3:最近弟と組んで「メタル・マジェスティー」なるユニットを結成していたのは知らなかった。同名義で2枚のアルバムをリリースしたあと、ヴァレンシアはミュージックシーンへの失望から活動を休止してしまったという。残念だ。

*4:ヴァレンシアも活動中止しなくて済むだろうしね・・・冗談だが。

*5:劇中でシャアが着ていたものにデザインがよく似ている。おそらくは「狙っている」のだろう。

*6:このGacktの姿を見ていると「彼は今世界中で一番幸せなガンダムバカの一人に違いない」と思える。少し羨ましい(笑)